オプション取引

オプション取引で損失をカバーする【カバード戦略】とは?

オプション取引は投資の中では比較的利益を

上げやすいアイテムですが、投資に絶対はありません!

 

一瞬先が分からないのが相場です。

 

相場の動きに対し、ちょっと自分のポジショニングが心配なときに

損失回避手法の一つに「カバード戦略」がありますので、ご紹介いたします。

 

Contents

カバード戦略

オプション取引には「カバード戦略」という

取引手法があります。

 

損失をカバーするという「カバード戦略」です。

 

「カバード戦略」は相場が急変したときや、証拠金が不足しそうな時には

有効なヘッジ対策です。

 

カバード戦略には「カバードコール」と

「カバードプット」の2種類があります。

 

カバードコール

 

カバードコールとは

コールオプションの売りと先物の買いを組み合わせる手法です。

 

▼この先相場が上昇すると思うのであれば
【先物を買ってコールを売る】という組合せの取引です。

 

3通りの結果となります。

〇相場が下落した場合

・先物買いの損失をコールオプションの売りの利益でカバーします。

 

〇相場が上昇した場合

・コールオプションの売りの損失を先物買いの利益でカバーします。

・コールオプションの価格は期日までに権利行使価格に届かない場合には

価格は0円となり売り方の勝ちとなります。

コールオプションの売りの利益と先物買いの利益両方が見込めます。

 

〇相場が膠着状態となり動かなかった場合

・コールオプションの価格は時間の経過とともに下落しますので

コールオプションの売りは利益となり先物の買いは損失はありません。

▼カバードコール取引例

実際のカバードコール取引のシミュレーションをみてみましょう。

 

▽日経先物現在値は20850円

例)先物ミニを5枚買い

権利行使価格21500円コールオプション1枚売り(現値90円)

 

□日経平均価格が上昇して21300円になった場合

先物ミニ買い  21300-20850=450円×5枚=+22.5万円

オプション売り 権利行使価格の21500円に到達せず。21500円コール90円×1枚=+9万円

合計(22.5+9=31.5万円)の利益となります。

 

□日経平均が下落して20300円になった場合

先物ミニ買い  20300-20850=-550円×5枚=-27.5万円

オプション売り 権利行使価格の21500円に到達せず。21500円コール90円×1枚=+9万円

合計(-27.5+9=-18.5万円)の損失と損失をカバー出来る取引です。

 

□日経平均が膠着状態で20850円のままの場合

先物ミニ買い  20850-20850=0円×5枚=0円

オプション売り 権利行使価格の21500円に到達せず。21500円コール90円×1枚=+9万円

合計(0+9万円=9万円)の利益となります。

 

※先物ミニは1枚からでも取引出来ます。

 

 

カバードプット

 

カバードプットとは

プットオプションの売りと先物の売りを組み合わせる手法です。

 

▼この先相場が下落すると思うのであれば
【先物を売ってプットも売る】という組合せの取引です。

 

 

こちらも3通りの結果となります。

〇相場が上昇した場合

・先物売りの損失をプットオプションの売りの利益でカバーします。

 

〇相場が下落した場合

・プットオプションの売りの損失を先物買いの利益でカバーします。

・プットオプションの価格も期日までに権利行使価格に届かない場合には

価格は0円となり売り方の勝ちとなります。

プットオプションの売りの利益と先物売りの利益両方が見込めます。

 

〇相場が膠着状態となり動かなかった場合

・プットオプションの価格は時間の経過とともに下落しますので

プットオプションの売りは利益となり先物売りの損失はありません。

▼カバードプット取引例

実際のカバードプット取引のシミュレーションをみてみましょう。

 

▽日経先物現在値は20850円

例)先物ミニを5枚売り

権利行使価格19750プットオプション1枚売り(現値90円)

 

□日経平均価格が下落して20300円になった場合

先物ミニ売り  20850-20300=550円×5枚=+27.5万円

オプション売り 権利行使価格の19750円に到達せず。19750円プット90円×1枚=+9万円

合計(27.5+9=36.5万円)の利益となります。

 

□日経平均が上昇して21300円になった場合

先物ミニ売り  20850-21300=-450円×5枚=-22.5万円

オプション売り 権利行使価格の19750円に到達せず。19750円プット90円×1枚=+9万円

合計(-22.5+9=-13.5万円)の損失となり損失をカバー出来る取引です。

 

□日経平均が膠着状態で20850円のままの場合

先物ミニ売り  20850-20850=0円×5枚=0円

オプション売り 権利行使価格の19720円に到達せず。19750円プット90円×1枚=+9万円

合計(0+9万円=9万円)の利益となります。

カバードコール カバードプット
仕掛け時 上昇すると思う時 下落すると思う時
オプション コール売り プット売り
先物 買い 売り
利益最大状況 相場が上がる・権利行使価格よりも上がらない 相場が下がる・権利行使価格よりも下がらない

まとめ

今回紹介したカバード戦略

 

証拠金の低減にもなりますし値動きの激しい時には

有効となります。

 

これ以外でも株式とオプションの組合せ等応用出来て

使い方いろいろです。

 

相場観が当たれば利益も上積みできます。

 

しかし外れた場合には、いくら損失をカバー出来るといっても

先物は損失は大きくなってしまう傾向があります。

 

 

▽いずれにしても基本はロスカットということです。

 

オプション価格は権利行使価格に届かない時はゼロ円となります。

 

また時間の経過とともに下落する特徴があります。

思いと違った場合でも先物と違い、比較的損失になりにくい傾向があります。

 

しかし先物はストレートに利益にもなりますが損失にもつながります。

 

先物は違ったら損切が基本です!

 

また先物は利益が乗った時はミニ先物で分割決済で利益確定しながら

先物玉を入れていくのがオススメです。

 

いづれにしても取引は【慎重かつ慎重に!少し大胆に!】が基本となります。

 

 

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